Kenji Arisawa
E-mail: arisawa@aichi-u.ac.jp
Aichi University
Kurozasa 370, Miyoshi-cho
Aichi, Japan
http://ar.aichi-u.ac.jp

2001/10/27 改訂

時刻合わせ -- 時刻同期 --

ここではPlan9システムを構成する複数のコンピュータの時刻同期の問題を解説する。 この目的のためには通常 NTP サーバが利用される。

日本における NTP サーバとしては例えば以下のようなものがある。

cesium.mtk.nao.ac.jp	133.40.7.40	# 国立天文台(現在運休中 2001/10/27)
gpsntp.miz.nao.ac.jp	133.40.41.175	# 国立天文台
筆者の研究室でのシステムは当大学の NTP サーバ(この時刻は cesium.mtk.nao.ac.jp を基にしている)を使用することにしている。

ファイアウォールの存在が NTP サーバのサービスを受ける時に障害になる場合がある。 NTP サーバのサービスを実際に利用できるか否かを調べるには timesync コマンドを使用すればよい。以下に例を示す。

term% aux/timesync -inD gpsntp.miz.nao.ac.jp
settime(now=-1, hz=801820420, delta=0, period=0)
ntp gpsntp.miz.nao.ac.jp stratum 1 ntpdelay(111724516)
ntp gpsntp.miz.nao.ac.jp rootdelay 0 rootdisp 3097374 metric 1170684148
ここで ntp から始まる行が NTP サーバからのエコーバックである。

現在、高精度な公開NTPサービスの実験が行なわれている。詳しくは次の URL を参照すればよい。 www.jst.mfeed.ad.jp


スタンドアロンシステム

まず最初に1個だけから構成されるシステム(Plan9端末)における時刻の決定を解説する。ここでは Plan9 システムを構成する時刻同期の問題は発生しないが、ネットワークを構成する他のコンピュータとの時刻を同期させることが望ましい。この目的のためには NTP サーバが利用される。

設定は

/bin/termrc
で例えば次のように行う。
aux/timesync -n aucc	# NTP サーバに同期(aucc は愛知大学の NTP サーバ)

分散システム

時刻同期の問題は分散システムではとりわけ重要である。 ファイルサーバの時刻同期の方法は、ブート時の config パラメータで次のように与える。
ipsntp	133.40.41.175
(この方法はドキュメント化されていないが、ファイルサーバのソースコードを読めば判明する)

ファイルサーバを持っているシステムでは大抵の場合にはCPUサーバやPlan9端末のルートファイルシステムはファイルサーバに設定されている。その場合には

/bin/cpurc
/bin/termrc
aux/timesync
が実行されるようにしておけば時刻はファイルサーバに同期される。